今回は、長濱浪漫ビールのシングルモルト長濱 ザ・ファーストバッチをレビューします!
ストレート・ロック・ハイボールで評価しますので、家飲みの参考にしてくださいね♪
全体的にビターで、リンゴやブドウ、キャラメルのような甘みが特徴
オススメの飲み方はストレート
2022年にリリースされたクラフトウイスキーの中でもトップクラスのクオリティ
〈基本情報〉
商品名:シングルモルト長濱 ザ・ファーストバッチ
生産地:日本
種別:シングルモルト
度数:50%
価格:11,000円くらい
〈概要&テイスティング〉
シングルモルト長濱は、長濱浪漫ビールの長濱蒸溜所で製造されているウイスキーです
長濱浪漫ビールは、滋賀県長浜市にあるレストラン併設のクラフトビール醸造所です
1996年よりクラフトビールの製造を開始され、2016年に日本最小クラスの蒸溜所である長濱蒸溜所を醸造所に併設する形で設立されました
以来、海外モルト原酒と長濱蒸溜所のモルト原酒をブレンドしたアマハガンや、シングルモルト長濱などをリリースされています
長濱蒸溜所に導入されている蒸留器は、ひょうたんのような形をしたアランビックというタイプのもので、もともとはブランデー用の蒸留器であり、ウイスキーの蒸留に用いられることはほどんどありません
実際、このタイプの蒸留器を導入しているウイスキー蒸溜所は世界的にも珍しく、これが他蒸溜所との差別化に一役買っています
個人的なイメージですが、長濱蒸溜所のモルト原酒は一般的なモルト原酒と比較して、よりなめらかで麦のフレーバーが強い印象がありますね
さて、今回ご紹介するシングルモルト長濱 ザ・ファーストバッチですが、ファーストという名称が付いてはいるものの、シングルモルト長濱のファーストリリースではありません
シングルモルト長濱自体は、これまでも何度かリリースされていますからね
ただ、これまでリリースされたシングルモルト長濱は、全てシングルカスク(一樽)の原酒を瓶詰めしたものであり、複数種類の長濱原酒をブレンドしたシングルモルトではありませんでした
そして今回リリースされた長濱は、初めて複数種類の長濱原酒をブレンドしたシングルモルトであるため、ザ・ファーストバッチという名称になっています
ちなみにブレンドされているのは、2017年から2019年にかけて蒸留されたバーボン樽・シェリー樽・ミズナラ樽・アイラクオーター樽熟成原酒の4種類となっているようです
アイラクオーター樽とは、もともとはアイラ島のウイスキー(おそらくはスモーキーなもの)を詰めていたクオーターサイズ(たぶん110L)の樽のことですね
長濱蒸溜所のモルト原酒はワイン樽熟成のものも非常に評価が高いのですが、今回の構成原酒には含まれていないようです
その辺りはセカンドバッチ以降に期待ですね( ´ ▽ ` )
〈ストレート〉オススメ!
香り:
クラッカー、リンゴ、ハチミツ、ブドウ、クランベリー、キャラメル、ココナッツ、シナモン
味:
クラッカー、リンゴ、乾いた木材、ほのかにブドウ、キャラメル、シナモンなどのスパイス
ミディアムボディで、余韻は樽由来のビターさとスパイシーな風味が続く
全体的にビター寄りですが、複雑で飲みごたえのあるウイスキーです( ´ ▽ ` )
これはなかなかにハイクオリティなシングルモルトですね、長濱らしい麦感やなめらかな口当たりといった特徴もよく出ています
アルコール度数50%ですが、それをまったく感じさせないマイルドさです
味わいとしては、4種類の原酒の中でも、特にミズナラ樽熟成原酒のキャラクターが強めに出ている印象ですね
キャラメルやココナッツ、シナモンや乾いた木材の風味がしっかりと感じられ、それが全体のビターさに繋がっているように思います
もちろんリンゴやハチミツ、ブドウやベリーなどミズナラ樽以外の樽熟原酒フレーバーもありますが、ミズナラよりは控えめかなと
そしてアイラクオーター樽熟成原酒も使用されているということで、いくらかはスモーキーさを感じるかと思いましたが、こちらはほとんど感じられず、そこはちょっと予想外でしたね
少しビターなニュアンスが強いので、普段ウイスキーを飲まれない方はキツく感じてしまうかもしれませんが、総じてバランスが良く、多層的でクオリティの高いウイスキーでした
〈ロック〉
シナモン、ココナッツクリーム、キャラメル、乾いた木材、リンゴ、ほのかにブドウ
ストレートよりもクリーミィに変化します( ´ ▽ ` )
また、熟したリンゴのようなフルーティさも少しだけ強調されますね
相変わらずミズナラ樽熟成原酒のキャラクターが支配的で、口に含んだ瞬間はシナモンやニッキのようなスパイシーな風味が広がります
そして、あとからココナッツクリームやキャラメル、熟したリンゴのようなフレーバーも感じられるようになりますね
ただ氷が溶けるに従ってどんどん樽の風味が強くなり、だんだんと煮出した木の汁を飲んでいるかのような感覚に、、、
ですので、ロックでゆっくり飲みたいという方にはちょっとオススメしにくいかもですね( ´ ▽ ` )
〈ハイボール〉
バニラクリーム、ハチミツ、麦、木材の風味
クリーミィでスッキリとした味わいのハイボールです( ´ ▽ ` )
バニラクリームのような優しい甘みと共に、ハチミツや麦、木材の風味もほのかに感じられます
全体的にあっさり気味なので、じっくり飲むというよりは食中酒向きですね
ただ個性的な味わいでおいしくはあるのですが、個人的には価格のことなども考えるとわざわざハイボールにするほどでもないかなといった感じでした
〈総評〉
多層的でバランスも良く、長濱蒸溜所の個性も感じられるハイクオリティなシングルモルトでした( ´ ▽ ` )
これは2022年にリリースされたクラフトウイスキーの中でも、トップレベルにクオリティが高いのではないでしょうか?
未熟成な部分は一切なく、単調で飽きが来てしまうような構成でもなく、飲みごたえもあって良いシングルモルトだと思います
500mlで11,000円なので、価格相応かと言われるとなかなか厳しい部分もありますが、最近はとんでもない値段のジャパニーズクラフトウイスキーも増えてきていますので、相対的に見れば許容範囲、、、かな?
ただ、やっぱり高いことに変わりはないので、バーなどで試して気に入ったら購入という流れが良さそうですね
セカンドバッチ以降にも期待が持てるよく出来たシングルモルトでした( ´ ▽ ` )